歴史ある幹線鉄塔

66KV 片品川線(岩室線)

片品川線(建設当時は岩室線)

1915年(大正4年)運開

岩室水力発電所から野中開閉所まで結ぶ(当時)

明治40年頃から上毛水電(明治43年に利根発電に改名)が発電所を計画、明治43年に着工し

大正4年に完成した岩室水力発電所の電源線路です。

片品川線79号です。

建設当時は66KVの1回線で支持物は鉄柱でしたが、昭和8年ごろに回線増架の計画が浮上しました。

しかし1回線鉄柱に、もう1回線を増架するのは強度的に困難で、また建替える予算もありません。

そこで苦肉の策として考えられたのが、鉄柱の強度UPを図り既設をそのまま利用することでした。

1回線鉄柱の斜材を外して、周りにコンクリートを打設し”鉄骨コンクリート柱”にしたのです。

鉄筋コンクリート柱”ではなく”鉄骨コンクリート柱”とは、まさに苦肉の策ですね。

戦後になると昭和29〜30年にかけて岩室水力発電所の発電機や水車を交換する大改修をしています。

同時期に発電所の改修と合わせて、送電線の方も改修工事行い”鉄骨コンクリート柱”はメーカー製の

鉄筋コンクリート柱”に生まれ替わりました。

 

鉄筋コンクリート柱”の塔体下部には円形の風穴が空いています。

鉄筋コンクリート柱”の番号札には昭和29年4月とあります。

改修後に今度は、系統の変更が行われて、岩室水力発電所から上久屋水力発電所までが従来通り岩室線で

(上久屋発電所には上久屋小松線が繋がってます)上久屋発電所から野中変電所までが現在の片品川線になっています。

片品川線119号です。

下相がBT化されています。

片品川線141号です。

隣(若番側)では建替え(鉄塔化)工事をしており、仮鉄柱が建ち線路を分断していました。

まだ部分的にコン柱はありますが、年々鉄塔化をしていますので、近い将来には無くなってしまうでしょうね。


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