東日本大震災による送電設備(宮城県)被害について

23年3月11日に発生した東日本大震災により各地の電力設備に大きな被害が発生しました。

東北電力管内の被害は甚大で送電設備は105線路(軽微な被害178線路)鉄塔損壊・折損・傾斜42基等が発生(東北電力公開)しています。

基幹系統では275KV新仙台火力発電所系(鉄塔湾曲傾斜)、275KV原町火力発電所系(鉄塔倒壊・損壊)等が発生しています。

宮城県気仙沼市の吉田様より市内の送電被害状況を頂きましたので報告します。

 


 

気仙沼市内では数箇所で鉄塔が倒壊するなど特別高圧系に被害が発生しています。

 

本吉線の被害状況です。

本吉線は気仙沼変電所から受電して岩井崎変電所、津谷変電所系を担う66KV線路です。

本吉線30号鉄塔の状況です。

津波により鉄塔下部が湾曲損傷して傾斜しています。

本吉線30号鉄塔は湾岸より700m位に位置していました。

本吉線は配電供給に関わる線路であることから早期復旧が進められ

3月下旬には仮鉄塔による送電が再開しました。

若番側の本吉線29号鉄塔です。

早期送電で仮鉄塔を使用するため懸垂鉄塔の29号には支線が張られています。

本吉線29号鉄塔の支線支持部です。

耐張鉄塔30号が抜けるための強度確保の対策です。

本吉線30号A仮鉄塔です。

鉄柱支線の仮鉄塔です。

本吉線30号A仮鉄塔の基礎部です。

仮鉄塔は30号鉄塔の元位置から外れて若番側(30−A)老番側(30−B)と各1基が建設されました。

本吉線30号B仮鉄塔です。

鉄柱がダブル構造でA仮鉄塔より大型です。

湾曲損傷した本吉線30号の基礎部です。

仮鉄塔には架空地線の装柱や鉄塔番号札(A/Bはこちらで付加)はありません。


松鹿線の被害状況です。

松鹿線は本吉線と同系統の気仙沼変電所から受電して松岩変電所、鹿折変電所系を担う66KV線路です。

松鹿線3号鉄塔の状況です。

津波により倒壊しています。

松鹿線は鉄塔4基が倒壊し系統の鹿折変電所が冠水する被害が発生しました。

4月上旬には変電所構内に仮設変圧器を設置するなど復旧が進められました。

曲がったトーショナルダンパーです。

鋼心アルミ電線を使用しています・・くすんでいないので比較的新しい電線のようです。

長幹がいしが折れています。

被災前の松鹿線3号鉄塔です。

2回線鉄塔の1回線仕様(使用)です。


被災地では今日も安定した電力の供給に向けた復旧作業が続いています。

  

 

このたびの東日本大震災により被害を受けられた皆さまに心からお見舞い申し上げます。

  


注意

写真及び記述の無断使用、無断転載は固くお断りします。

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