木製送電線1

神奈川県川崎市内の22KV小田急向ヶ丘線です。

小田急向ヶ丘線は一部に木柱の支持物が残る大変貴重な送電線です。

山間部の送電線には木柱もまだありますが、都市化が進んだ市街地・・

・・しかも商業地域(住宅も密集し道路は狭隘)の木柱はおそらくここだけでしょう。

ただ、ひとつ残念なのは平成9年に、木製線路が3kmにわたって廃止、撤去されたことです。

現在、旧木柱ルートは別ルートで地中化されており、まあ、時代の流れとでもいいましょうか・・

以前は”A”(変電所付近は鉄塔)〜”E”まで木柱が存在しました。

”A”の変電所で、現在は”B”〜”E”まで木柱です。

”B”の高架上の東急田園都市線を囲む門型鉄塔で向ヶ丘線3号鉄塔です。

ここから線路に沿って2基の鉄塔があり、変電所に繋がっています。

向ヶ丘線4号です。

向ヶ丘線は右の1回線で、左のもう1回線は、JR溝ノ口線で共架しています。

向ヶ丘線は(木柱区間)その、ほとんどがドブ川の上を跨いでいます。

・・失礼しました・・ドブではなく、、たいへんな由来のある川でした。

二ヶ領用水といいまして、今から400年前の江戸時代初期、徳川家康の命を受けた

小泉次大夫なるものが、14年の歳月をかけ完成させた大農業用水なのです。 

     向ヶ丘線17号付近には有形文化財に指定されている久地円筒分水があります。  

”C”の向ヶ丘線10号で分岐装柱です。

ここまで2回線で、1回線は地中線になっていましたが、現在は廃止されており、

地中線ケーブルの架台と引き下げ線が残っています。   

廃止された線はJR溝ノ口線の方でした。

”D”の引留柱の向ヶ丘線12号です。 

ここで、架空線は引留められ、国道246号を横断するため地中線になります。

”E”の向ヶ丘線17号鉄塔です。

川の上に建つ木柱は16号で終わり、次からは鉄塔です。

この先は66KV登戸線の下段へ共架されています。

”F”の引留鉄塔で、左が向ヶ丘線で右が登戸線です。

ここから地中線で向ヶ丘遊園駅近くの、”G”の小田急向ヶ丘変電所に接続されています。


追加

向ヶ丘線10号で地下部分が廃止されていた、JR溝ノ口線の架空線が無くなりました。

 

(左) 向ヶ丘線10号・・・地下ケーブル架台も撤去されました。

(右) ひとつ手前の向ヶ丘線9号・・・3本線が垂直に並ぶようになり今回、がいしも交換してありました。


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