航空機墜落による送電線の切断事例2(埼玉県狭山市)

埼玉県狭山市における航空機墜落による送電線切断事案について

事故概要

 平成11年11月22日14時45分ごろ、埼玉県狭山市の入間川に航空自衛隊入間基地所属の

T−33A練習機が墜落、炎上した。

 この事故で上空を通過する送電線を切断し、東京や埼玉県内で約80万世帯が最高4時間にわたり停電した。

また架空地線の光ファイバー(OPGW)が切断されたために通信回線(TTNet)障害も発生した。

送電線概要

 上空の送電線は、

上部 275KV 南狭山線No23-No24号間(4導体の2回線) (新所沢変電所から南狭山変電所)

下部 66KV 日高線(配電用送電線2回線)の共架線路でした。

さらに、横に154KV 武蔵野線No22-No23号が平行していますが、実害は出ていないようです。

南狭山線22号 右の架空地線が切れています。

南狭山線24号を望む

南狭山線23号

上の写真を正面より見て
南狭山線 1号線 2号線
日高線 2号線 1号線

南狭山線1号側(左)の架空地線と2号線(右)の上部腕金(相は不明)の線が切断したもの 

左右の線が共に切れ下がった為に、全ての回線がトリップ(ショート)したようです。

左の腕金が湾曲し、外されています。

左は武蔵野線22号

延線準備中

沼津や静岡ナンバーの作業車や乗用車が多数集結していました。

送電線災害復旧出動班の旗が掲げられた車

入間川河川敷に下がる架線

南狭山線24号 隣は武蔵野線23号

ウインチ車の前のコンクリは錘のようです。

南狭山線24号

 最後に、自らをも省みず機体を安全な場所に導き、殉職されたパイロットの方々に

慎んでお悔やみを申し上げます。

平成11年11月23日 狭山市にて(作成及び撮影は作者)


送電鉄塔トラブルケースへ