台風21号による送電鉄塔倒壊について

仮鉄塔完成

夕方から風雨がさらに強くなってきました。
夜に入り早めの夕食を済ませて、テレビを観ていました。
突然、外で稲妻が光ったかと思うと、間入れずバリバリーッ ドードンともの凄い音がしました。
慌てて外へ飛び出すと、鉄塔が崩れていて、大変なことになったと・・風が焦げ臭くて・・
(現場付近の方の談を聴き要約しました)

送電鉄塔が倒壊してから約二ヶ月が経過しました。

11月29日原因について東京電力より公式発表がありました。

詳しくは「プレスリリース」台風21号の強風に伴う送電鉄塔倒壊事故の原因と対策等についてを参照して下さい。

では、その後の現場はどのように、なっているのでしょうか?

現場では例を見ない速さで復旧作業が、昼夜を問わず行われていました。

右 新しい香取線仮19号です。(右は鹿島線)

香取線、湖南線、鹿島線と並んで建っていたところで、真中の湖南線が半分から折損し

香取線に寄りかかっていたのが報道されていたところです。

鰐川横断箇所です。

(新しい香取線仮20号です 右は鹿島線)

ここで湖南線がバッタリ倒れ、香取線がアメのように曲がったのが盛んに報道されました。

湖南線の仮線を鹿島線に渡し応急供給しています。

左から鹿島線、湖南線24号、新しい香取線仮20号です。

湖南線の仮線を鹿島線から新しい香取線仮20号へ移線しています。

 

復旧作業は昼夜を問わず、もちろん祝祭日もありません。

新しい香取線仮21号です。

懸垂の鋼管鉄塔で一部新旧の部材が混じっています。

新しい香取線仮22号です。

耐張の鉄塔で一部に紅白の部材が混じっています。

新しい香取線仮23号です。

耐張の鋼管鉄塔で一部に紅白の部材が混じっています。

 

新しい香取線仮23-1号です。

懸垂の鋼管鉄塔で紅白鉄塔です。

こちらは新しい鉄塔ですが、仮送電を終えると何処の線路で使うのでしょうか?

「仮23-1」のヘリ番札。仮が付いていました。

新しい香取線仮24号です。

懸垂の鉄塔で緊急応急鉄塔でしょうか?

基礎には鋼管が使われています。

この鋼管を継足して埋め込み(おそらく30m〜50m埋まる?)コンクリートを打設している?ようです。

倒壊した鉄塔は根元で溶断してありました。

新しい香取線仮25号です。

耐張の鋼管鉄塔で紅白鉄塔です。

あの夜、最初に現場で見た鉄塔は25号でした。

あの不気味な風の音と、ナマ温い風は忘れません。

復興へ向けて・・

原発問題と時を同じくして起こった予期せぬ鉄塔倒壊・・

原発の約8〜9割の停止、冬場の電力確保・・

東京電力では再発防止に向けて「させない仕組み」と「しない風土」を掲げ

信頼の回復に全力で取り組んでいるようです。

復興へ向けて、僅か50日で完成させた仮の大鉄塔・・

仮鉄塔でもこれは名称だけであることは、現場を見れば一目瞭然でしょう。

この驚異的な対応の速さと行動力・・

まさに「信頼の回復に全力で取り組んでいる」現れ、ではないでしょうか・・

課題は山積みです・・ウワベだけの信頼の回復でないこと望みます。

協力

多忙なのに惜しまず話をして下さった方々(名前は希望で伏せてます)

茨城県潮来市 OO様

東京電力茨城支店 OO様

株式会社関電工 OO様

〜ありがとうございました〜

平成14年11月23日 潮来市及び鹿嶋市にて  作成及び撮影はJAMMIT(作者)

注意

写真及び記述の無断使用、無断転載は固くお断りします。

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